新型インフルエンザ

 ニュージーランドでも新型インフルエンザの感染者が確認された。地球上でも孤立している場所なので、こういうときにはどちらかというと最後まで影響を受けない国だと思っていただけに意外だった。

 取材をしてみると、思っていた以上にニュージーランドからメキシコへの渡航者が多いことが分かる。高校生たちがイースターホリデーの期間を使って、スペイン語の語学研修に行くのだ。

 最初に報道されたランギトト高校に続いて2校が帰国したが、いまだ、現地にいる学校もある。拡大感染の不安はしばらく続く。

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最初の平鉋

 ニュージーランド人からすれば、持ち手もなく、仕込みにも時間がかかり、手入れも大変な、どうみても効率の悪そうな道具。日本の平鉋。

 それを買ってしまった。というか、指物師の須田さんがワークショップで使ったものをずうずうしく譲ってもらった(もちろんお金は払って)。

 一流の人が選んできたものは、道具も一級品。井上刃物の寸四鉋だ。腕に余る道具なのは承知の上だったけれど、鉋はいいものを使うべきというアドバイスと、何よりも、自分で仕込んだ鉋を手放し難くなってしまったのが大きかった。

 大事に使えば一生もの。今日はとりあえず、身を綺麗にして椿油を塗った。印は焼印がまだないので、とりあえずスタンプで台尻の隅に(写真右が手入れ後)。

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日本の鉋は何故、四角い

 木工芸家の須田賢司さんがネルソンにやってきた。皇室にも作品が納められているという一流指物師だ。

 果たして指物という日本の伝統工芸、しかも木工の中でも特に精度が求められる職人の仕事ぶりが、効率を優先するヨーロピアンウッドワーカーたちの眼にどう映るのか。

 象徴的だったのは「日本の鉋は何故、四角いのか?」という質問。つまり、洋鉋にあるような持ち手があった方が使いやすいだろうという疑問だ。実際、洋鉋は持ち手だけでなく、金属製で変形しにくく、微妙な刃先の調整ネジやレバーがありとても合理的に出来ている。日本の鉋がそうなってないのを不思議に思うのは当然だ。

 須田さんの答えはこうだった。「シンプルさを優先しているのだと思います。確かに、ハンドルがあった方が持ちやすくて、使いやすいともいえますが、逆にいうと持ち方を選べない」。

 実際はもっといろいろと話をしてくれたのだが、要は、ハンドルはハンドルとしてしか使えないが、シンプルな四角い木片であれば、用途に合わせてどういう持ち方でも出来る。様々な細工に合わせて融通がきくということなのだ。ただし、その能力を引き出すには相応の熟練が必要となる。

 質問したキウィは頷きながらもまだ腑に落ちない感じだったが、実は、須田さんが教えてくれたことは日本の鉋だって効率を無視している訳じゃないということだ。和鉋は最初のハードルは高いが、それを越えれば洋鉋以上に効率が良くなってくる道具なのである。日本人は伝統的にそれを知っているから四角い木片を使い続けているんじゃないだろうか。

 ちなみに須田さんが持参した仕上げ研ぎに使う天然石の精度をあえて番手に直せば約30000番だとか。ちょっとびっくり(普通は6000番前後)。

 ワークショプの映像はこちら

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氷河と自己責任

 ガイドウォークの撮影でフォックス氷河に行ったら、かつてないほど大きな氷の塊がゴロゴロしていて驚いた。実は取材日の3日前に先端部分で大きな崩落があり、20人あまりの観光客が命からがら逃げ出す騒ぎがあったばかりだったのだ。

 目撃者によると、観光客の何人かは人間と同じくらいの大きさの氷塊に追いかけられていたらしく、たまたま現場近くにいた氷河ガイドは必死で「走れ!振り向くな!!」と叫んでいたそうだ。

 先端部は常に崩壊の危険があるため、近づいてはいけないことになっている。しかし一見安全そうに見えるため、ロープを越えてゆく観光客はあとをたたない。以前はもっと近くに危険を警告する看板が立てられていたのだが、それは数年前に撤去されてしまったらしい。

 警告が4カ国語で書かれていたために、万が一、その言語圏以外の人たちが死傷した場合に国が責任を問われる可能性があるという奇妙な法的判断の結果なのだとか。

 日本みたいに「○○に注意!」だらけなのも変だけど、「自己責任」もここまでくると行き過ぎ?

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